#167 映画「六人の嘘つきな大学生」ネタバレ感想【原作小説との比較】浜辺美波主演映画を徹底レビュー
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こんにちは!今回は、話題の映画 「六人の嘘つきな大学生」 を取り上げます。主演は浜辺美波さん、原作は大ヒット小説。
期待を胸に観に行かれた方も多いのではないでしょうか?この記事では、映画の感想をネタバレありで深掘りし、さらに原作との違いについても比較していきます。
それでは早速、原作ファンとしての視点を交えながら、映画と原作の魅力や気になる点をチェックしていきましょう!
映画視聴前の原作版はこちら
目次
原作と映画の違い:どちらがより魅力的?
映画が原作に忠実かどうかは、気になるポイントですよね。正直に言うと、映画は原作と「別物」のように感じました。
- 原作の特徴
原作は、人間の裏側や「性格の悪さ」を巧みに描き出し、読者にインパクトを与える作品です。一言で表すならば「性格の悪い小説」(良い意味で)。人間の汚さや葛藤が全面に押し出されています。 - 映画の特徴
一方、映画ではその鋭さが少し和らぎ、観終わった後にどこか爽やかさを感じる仕上がりになっています。これは原作ファンにはやや物足りなさを感じさせる一方で、映画だけを観た方には親しみやすい印象を与えたかもしれません。
原作のストーリー概要
原作の物語は以下のような流れです:
- 大学生6人が企業の最終面接に臨む
面接の過程で、各々の「裏の顔」が暴露されていきます。 - 前半で犯人とされたの仮犯人
彼が「告発」により面接から脱落します。 - 後半は前半と別視点の展開
真犯人が誰かを探りつつ、登場人物たちの内面や関係が描かれていきます。 - 最終的に真犯人が明らかに
意外性のあるラストが待ち受けます。
原作の構成の特徴は、前半と後半で視点が切り替わる点です。これにより、物語全体に二面性が生まれ、読者の興味を引きつけます。
映画版のポイントと独自のアレンジ
映画は原作をベースにしつつ、独自の工夫が加えられています。特に印象的だった点を挙げてみましょう。
1. 映画のラスト:後味の違い
映画では、原作のラストにあった「後味の悪さ」が軽減され、むしろ前向きなメッセージ性が強調されています。これは好みが分かれるところですが、テーマを「多面的な人間性の描写」から「人間の成長や和解」へとシフトした印象を受けました。
3. テンポの良さと映像美
約113分という尺の中で、原作のエッセンスをうまく凝縮。特に音楽やカメラワークのセンスが光り、テンポ良く進む展開が観客を飽きさせません。
クライマックス:真犯人とその動機
物語後半、集まった5人の大学生の前で、ついに真犯人が明らかになります。
真犯人は佐野(慶應ボーイ) で、彼の動機は原作と同様、繊細な心理描写によって紐解かれています。
特に印象的だったのは、「透明なスピリタス」というお酒に関する知識が真相解明の鍵となった点。映画でもこの描写が忠実に再現されており、原作ファンとしては嬉しいポイントでした。
映像表現の巧みさ:映画ならではの魅力
1. 限られた空間の使い方
原作が「会話劇」を中心とするため、映像化では閉塞感が課題になりがち。しかし映画では、一瞬の回想シーンや外の風景を挟むことで、この閉塞感をうまく緩和していました。
浜辺美波さんの熱演と主人公の成長
浜辺美波さん演じる主人公の成長が、映画全体の軸となっています。学生時代の無邪気さから、大人としての成熟へと至る過程が短い尺の中でも見事に描かれていました。
ラストシーンでの彼女の静かな表情には、多くを語らない深みがあり、観客に「想像の余地」を残す余韻が印象的でした。
原作ファンへのおすすめ
映画を楽しんだ後は、ぜひ原作小説も手に取ってみてください。特に原作では、登場人物一人ひとりの背景や心情がより詳細に描かれており、映画では触れられなかった部分を補完することができます。
総評:映画と原作、それぞれの楽しみ方
映画 「六人の嘘つきな大学生」 は、テンポの良さや視覚的な美しさが際立つ作品でした。ただし、原作の持つ「後味の悪さ」やキャラクターの深い描写は控えめになっており、原作ファンには少し物足りなさを感じるかもしれません。
- 映画をおすすめしたい方
スタイリッシュな映像やテンポの良い展開を楽しみたい方。 - 原作をおすすめしたい方
キャラクターの心理描写や複雑な人間関係をじっくり味わいたい方。
どちらも異なる魅力があるので、両方を体験することでより深く作品世界を楽しむことができます!