#152 映画「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」ちょいネタバレ感想編:アカデミー賞は伊達じゃない!「夜明けのすべて」が好きな人はきっと評価する名作
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皆さん、こんにちは!今回は映画「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」についてのちょいネタバレ感想をお届けします。この作品は、2023年冬に公開され、すでに多くの人々から高い評価を得ている名作です。
特に「夜明けのすべて」を好む方には、きっと心に響く要素が満載です。
ホールドオーバーズの意味
「ホールドオーバーズ」は、1970年代を舞台にした全寮制学校を舞台にした物語です。この映画は、クリスマス休暇に家族と過ごせない生徒たちと、彼らを見守る教師の心温まる交流を描いています。
タイトルのホールドオーバー(holdover)は、残留者、留任者といった意味です。原題は「The Holdovers」でThe +複数形で特定の集団を表すため、今作ではクリスマス休暇中の「居残り組」的な意味で使われています
アカデミー賞ノミネート作品の実力
この作品は、2024年のアカデミー賞にもノミネートされており、そのクオリティは折り紙付き。オッペンハイマーなど他の優れた作品と同じ枠で評価されていることからも、その実力が伺えます。
ホールドオーバーズの興行収入
米国では2023年10月に公開されたホールドオーバーズは、尻上がりに興行収入を伸ばしました。
アカデミー賞にノミネートされた後、公開14週目には127館から1,262館に拡大し、アメリカとカナダで2,040万ドル、その他の地域で2,490万ドル、全世界で4,530万ドルの興行収入を記録しました。
映画の雰囲気と特徴
映画は懐かしい1970年代の雰囲気を見事に再現しており、当時の時代背景を大切に描かれています。
日本で夏に公開されるという点も、冬の物語を夏に見るという独特の魅力を感じさせます。
キャラクター紹介
歴史教師ポール・ハナム
主人公は全寮制の学校の歴史の先生。彼は生徒や他の先生から嫌われている偏屈な人物ですが、彼の行動には信念があります。例えば、多額の寄付金をした親を持つ子を落第させるなど、公平さを大切にしています。序盤での授業シーンでは、生徒たちに厳しく接し、鼻歌を歌いながら成績を返す姿が描かれています。しかし、彼の本質は非常に誠実で、公平な教育者であることが次第に明らかになってきます。
生徒アンガス
もう一人の主要キャラクターは生徒のアンガスくん。彼は勉強ができるものの、家族関係が複雑で、クリスマス休暇に帰れなくなってしまいます。親が離婚し、母親の再婚旅行のために迎えに来てもらえないのです。最初は生意気で強がっているアンガスくんですが、その裏には深い孤独と家族への愛が感じられます。
料理長メアリー
料理長のメアリーさんは、黒人の女性で、息子をベトナム戦争で亡くしたばかりです。彼女は静かで優しい性格で、誰に対しても公平であることが特徴です。生徒たちや先生に対しても、温かい心で接し、映画全体に人間味あふれる雰囲気をもたらしています。
キャラクターの魅力
物語の中心には、偏屈な歴史の教師と、様々な背景を持つ生徒たちがいます。教師は最初は生徒たちから嫌われていますが、徐々に彼の人間性が明らかになり、観客は彼を好きになっていきます。このようなキャラクターの成長が、観る者に感動を与えるポイントです。
生徒の一人であるアンガスは、家族の問題を抱えつつも強がっている姿が印象的で、観客の心を惹きつけます。彼の物語は、家族の大切さや孤独を感じさせる要素があり、多くの人に共感を呼ぶでしょう。
助演キャラクターたちの存在感
料理長メアリーは、過去の喪失を抱えながらも生徒たちを見守る重要な存在です。彼女のキャラクターには、多くの観客が感情移入することでしょう。彼女の優しさと強さが、映画全体に温かい雰囲気を与えています。
物語の展開と見どころ
映画の見どころは、やはりキャラクター同士の関係性の変化と成長です。
嫌われ者の先生、生意気な生徒、そして優しい料理長の三人が疑似家族のような関係を築いていく過程が丁寧に描かれています。
また、1970年代の雰囲気を再現した映像美や、当時の音楽も楽しめるポイントです。
感想
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」は、深い人間ドラマと優れた映像美を兼ね備えた名作です。特に「夜明けのすべて」が好きな方には、必見の作品となることでしょう。アカデミー賞の候補作としてもその価値は証明されていますので、ぜひ映画館で体験してみてください。
この映画を通じて、孤独や家族、友情について考えさせられること間違いなしです。観た後には、心温まる感動が待っています!
アカデミー賞受賞も納得の名作であり、「夜明けのすべて」が好きな人には特にお勧めです。
興味のある方は、ぜひご覧になってください。