#151 映画「ルックバック」ネタバレ感想編:原作マンガとの違いとそもそもこの作品の何が面白くて傑作なのか問題

こんにちは!今日は、藤本タツキ先生の大ヒット読切『ルックバック』が2024年6月28日に映画化された作品について、感想をネタバレありで語っていきます。映画を観た方も、まだ観ていない方も、ぜひお付き合いください。

まず最初に驚いたのは、映画の長さです。わずか1時間ちょっとの作品でした。劇場で観た中で、これほど短い作品は初めてかもしれません。

しかし、その短さを感じさせないほど、中身の濃い作品だったと感じています。

物語のあらすじと映画化の背景

『ルックバック』の原作は、2021年に突如現れ、瞬く間に話題になった読切作品です。コロナ禍の真っ只中に公開されたこともあり、当時の社会的背景も相まって多くの人々に響いたのではないでしょうか。それが3年の時を経て映画化されたということで、藤本先生の勢いを再確認させられました。

映画は、原作を忠実に再現しつつも、映画ならではの演出で一層深みを増していました。特に登場キャラクター2人の感情表現が見事でしたね。声優さんたちの演技も素晴らしく、彼女たちの心の動きが手に取るように伝わってきました。

少女たちの友情と葛藤

物語は、2人の少女の友情と絵を描くことへの情熱を中心に展開されます。互いに会ったことがないが、学級新聞でそれぞれ漫画を描いているという設定から始まるストーリー。一方の少女は、もう一方に対するコンプレックスを抱えつつも、卒業式の日に偶然出会い、それが彼女たちの運命を変えていく──という展開が、最初の15分ほどで描かれます。

この出会いのシーンが、個人的には映画のハイライトでした。映画では、彼女たちの微妙な心の変化や成長がより明確に描かれ、漫画以上に感情移入できる部分が多かったと思います。原作を読んでいる方でも、新たな発見があるのではないでしょうか。

映画ならではの魅力

『ルックバック』の映画化で特に感じたのは、キャラクターの動きや表情の細やかさです。漫画ではコマ割りで表現されていた静止画が、映画では動きとして表現され、それが非常に魅力的でした。特に2人の少女が出会うシーンや、喜びを爆発させる瞬間の動きは、映画ならではの感動を与えてくれました。

また、音楽も感動的なシーンをさらに引き立てていました。音楽の使い方が非常に効果的で、シーンごとの感情を音で補完している感じが強かったです。特に後半の感動的なシーンでは、音楽が涙腺を直撃するほどの迫力でした。

創作の苦しさと葛藤

『ルックバック』が多くの人に共感を呼んだ理由のひとつは、創作の苦しさがリアルに描かれている点です。物語の中で、少女たちは互いに自分より優れた相手に嫉妬し、挫折を味わいます。しかし、その苦しみを乗り越え、最終的には協力し合うことで新たな友情が芽生えていく。このプロセスが、創作活動をしている人々に深く刺さるテーマなのではないでしょうか。

特に、一方の少女が「自分は才能がない」と感じながらも、それでも描き続ける姿が印象的でした。この挫折感とそれを乗り越える力強さが、映画全体を通して大きなテーマとして描かれており、多くの観客に勇気を与える作品だと感じました。

ルックバック見どころポイント

この映画の見どころポイントは、大きく3つあります。

1つ目は、2人の少女の友情です。幼い頃から互いを認め合い、支え合いながら成長していく姿は、見ている人を温かい気持ちにさせてくれます。

2つ目は、創作活動の苦悩と葛藤です。主人公の藤野は、才能ある京本と出会い、自分自身の才能のなさに向き合わされます。それでも諦めずに努力を続ける姿は、多くの人の共感を呼ぶでしょう。

3つ目は、創作することの意味です。映画を通して、創作活動は自分自身と向き合い、成長するための手段であることが伝わってきます。

「ルックバック」が共感されるワケ

この映画が多くの人の共感を呼ぶ理由は、いくつか考えられます。

1つ目は、普遍的なテーマを描いていることです。友情、努力、才能、創作活動など、この映画で描かれているテーマは、誰もが経験したり考えたりしたことがあるものです。

2つ目は、リアルな描写です。キャラクターの表情や動き、風景など、すべてが非常にリアルに描かれており、まるで自分がそこにいるような感覚になります。

3つ目は、メッセージ性の高さです。この映画は、単なる友情物語ではありません。創作することの意味、生きることの意味について、考えさせてくれる作品です。

特別じゃない日常を特別にする

この映画の中で、特に印象的なシーンがいくつかあります。

1つ目は、藤野と京本が初めて出会うシーンです。2人は偶然にも同じ学級新聞に4コマ漫画を掲載しており、互いの才能を認め合います。

2つ目は、藤野が京本の家に初めて訪れるシーンです。京本の部屋には、積み上げられたスケッチブックがあり、藤野は京本の努力の量に圧倒されます。

3つ目は、藤野と京本が共同で漫画を制作するシーンです。2人は互いに協力し合い、最高の作品を作り上げようとします。

これらのシーンを通して、この映画は「特別じゃない日を特別にする」ことの大切さを伝えてくれます。

積み上げられたスケッチブック

映画の中で、印象的なアイテムとして「スケッチブック」があります。藤野と京本は、それぞれ何冊ものスケッチブックに4コマ漫画を描きためています。

これらのスケッチブックは、2人の努力の証であり、成長の記録でもあります。また、2人の友情の象徴でもあります。

表紙にもなっている後ろ姿

映画の表紙には、藤野の後ろ姿が描かれています。これは、藤野が努力を続ける姿を象徴するものです。

この後ろ姿は、映画の中でも何度も登場します。そして、藤野の成長を物語っています。

なぜ創作をするのか?

この映画は、「なぜ創作をするのか?」という問いに対する答えを提示してくれます。

それは、「自分自身と向き合い、成長するため」です。

創作活動を通して、私たちは自分自身の才能や可能性に気づくことができます。また、努力することの大切さを学ぶことができます。

ルックバックを見ると日本の文化レベルが上がる説

この映画は、日本の文化レベルを上げる可能性を秘めていると思います。

この映画は、友情、努力、才能、創作活動など、普遍的なテーマを描いています。また、非常にリアルな描写とメッセージ性の高い作品です。

このような作品を多くの人が鑑賞することで、日本の文化レベルが向上していくのではないかと思います。

まとめ

『ルックバック』は、原作ファンにとっても、初めてこの物語に触れる方にとっても楽しめる作品です。原作の良さをそのまま引き継ぎつつ、映画ならではの表現が加わることで、さらに深みのある作品に仕上がっています。

創作の喜びや苦しみ、そして友情の美しさを描いたこの作品。映画を観た後、もう一度原作を読み返すと、新たな発見があるかもしれません。ぜひ皆さんも、映画『ルックバック』を観て、藤本タツキ先生の世界観を存分に味わってください!

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