チェンソーマン182~183話:雪の悪魔と雪合戦とキャッチボール考察【早川アキ】
※本記事にはネタバレが含まれますのでご注意ください。
最新話の「チェンソーマン」第182話では、読者を驚かせる展開が描かれました。
目次
182話:可愛い顔で雪の悪魔登場
今回は「雪の悪魔」という存在が突如として登場し、その意味深な出現が作品全体に重く響くこととなります。この記事では、雪の悪魔の登場がどのように物語に影響を与えるのか、そしてその裏にあるデンジと彼にとっての大切な人物たちの記憶について考察していきます。
雪の悪魔、なぜ突然現れたのか?
182話を読んで、雪の悪魔の出現に対して「なぜ?」と首をかしげた人は少なくないでしょう。確かに唐突な登場ともいえるこのシーンですが、チェンソーマンの物語では「消えたもの」と「記憶」が密接に関係しています。特にデンジと深い関わりを持っていた人物たちの記憶が消えている、あるいは薄れている点に注目する必要があります。
ここで注目すべきなのは、「チェンソーマン」が悪魔を食べることで、それに関連する事物がこの世界から消えてしまうという設定です。この設定が作品全体に暗示をもたらしています。直近でデンジ=チェンソーマンに食べられた悪魔のリストを見てみると、これが興味深いヒントを提供します。
消えたものたちと忘れかけた記憶
例えば、次のような消えたものがデンジにとって象徴的な存在として考えられます。
- 口の悪魔:マキマ
- 蛸の悪魔:吉田ヒロフミ
- 苦味の悪魔:レゼ
- 雪の悪魔:早川アキ
このリストから分かるように、それぞれの悪魔はデンジの過去と深く結びついたキャラクターを象徴しています。デンジがこれらのキャラクターと過ごした思い出は、彼の人間的な部分を形作っていますが、チェンソーマンとしての存在がそれらを薄れさせてしまうのです。
特に雪の悪魔が象徴する「雪」は、早川アキとの思い出に結びついています。アキはデンジにとって兄弟のような存在であり、彼との雪の日のエピソードは一部のファンにとっても印象的なシーンです。デンジがアキを忘れようとしている、もしくは無意識にその記憶を封じ込めていることが、今回のエピソードで示唆されています。
雪合戦とキャッチボール、蘇る思い出
「雪の悪魔」を吐き出すことで、デンジの中に眠っていたアキとの思い出が再び浮かび上がります。雪とアキの関係は、彼がいたシーンで描かれた雪合戦やキャッチボールといった、楽しくも切ない記憶と重なります。それらの思い出は読者の胸に深く残っているもので、デンジの心の中にどこかで埋もれていた感情を掘り起こします。
このことは単にノスタルジーを掻き立てるだけではなく、デンジがどれほど人間としての感情を大切にしているかを改めて感じさせるものです。チェンソーマンでありながら、人間としての「デンジ」が失われていないことを示しています。
考察:デンジは記憶を取り戻すのか?
雪の悪魔の登場が単なる偶然ではないことは明らかです。アキとの思い出が蘇ることで、デンジが自分の過去をどう受け止めていくのかが今後の展開において重要になりそうです。彼は愛する人々を忘れることで心の傷を癒そうとしているのか、それとも、再び向き合うべき時が来ているのでしょうか。
デンジがこの記憶とどう向き合うかは、物語の核心に迫る大きなテーマであり、今後の展開がますます気になるところです。
182話は、多くの謎を残しつつも、感情に訴える重要なエピソードとなりました。チェンソーマンの世界に隠された記憶と感情の謎が明らかになっていくその時を、期待して待ちましょう。
追記:183話 ゲロ・顔・エロで苦味の悪魔
わずか1週間後に183話が公開され、そこで苦味の悪魔が登場しました。
>>>チェンソーマン183話
考察は概ね当たっており、雪の悪魔と苦味の悪魔を吐き出したことにより、早川アキやレゼを思い出した描写がありました。
大事な人がいなくなってしまう状況に絶望しつつも、ポチタの心遣いを思い出し(*ポチタが悪魔を食べたのは、忘れさせるためではなく、思い出させるため)、生きる希望を見出します。
男の悩みは金と女という言葉がありますが、デンジは「メシと女」に希望を見出した様です。
チェンソーマンの至言リストに入る名シーンでした。