#142 映画「オッペンハイマー」ネタバレ感想編:原爆の父を描いたノーラン作品"日本"出てきて感情爆発
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映画好きの二人がクリストファーノーラン最新作「オッペンハイマー」を見た感想を話しています。
半年前の現地で見た際の感想編はこちら
目次とチャプター
- 0:00 ネタバレなし感想
- 3:10 最低でもオッペンハイマーのwikiは読んだ方がいい
- 7:25 劇場が凍って感情がぐちゃぐちゃ
- 10:45 アイアンマンとFBIフーバー長官
- 16:00 ノーラン初の濡れ場シーン
- 18:00 デヴィッド・フィンチャー作品との類似点
- 20:25 年3本ならコナン/ドラえもんアカデミー賞?!
- 21:25 ネタバレ開始 – 日本人ならではの視点
- 23:45 優しくないポイント①:時代背景問題
- 25:30 優しくないポイント② 科学者多すぎ問題
- 26:30 優しくないポイント③ 時系列バラバラ問題
- 30:15 サブスクじゃなくて映画館で見るべき理由
- 30:20 米国視点の日米戦映画「ハクソー・リッジ」「パール・ハーバー」
- 34:40 NHKクローズアップ現代のノーラン監督特集
- 37:25 最初と最後のアインシュタイン
- 41:05 初週の映画興行ランキング
皆さんこんにちは。本日もブログにお越しいただきありがとうございます。
今回は、クリストファー・ノーラン監督の新作映画「オッペンハイマー」を観てきた感想をお届けします。特に、日本人として感じた感情の揺れ動きを中心にお話ししますので、ぜひ最後までお付き合いください。
まずはざっくりとした感想から始めます。
映画「オッペンハイマー」は、原爆の父と称されるロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた作品で、3月29日に日本で公開されました。私は半年以上前にアメリカで字幕なしで観たことがあり、そのときは正直ほとんど理解できませんでした。しかし今回は、待望の字幕付きでリベンジを果たしました。
映画「オッペンハイマー」あらすじ
今回は、クリストファー・ノーラン監督の作品「オッペンハイマー」について感想をお伝えします。この映画は、原爆の父と称されるJ・ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた作品です。
第二次世界大戦中、アメリカ政府はナチス・ドイツに先駆けて原子爆弾の開発を遂行するため、極秘プロジェクト「マンハッタン計画」を立ち上げます。オッペンハイマーはそのプロジェクトを率いる科学者として選ばれました。
オッペンハイマーは、原子爆弾の開発に成功しますが、その凄まじい威力に恐怖を感じ、その使用に反対します。しかし、アメリカ政府は広島と長崎に原子爆弾を投下し、甚大な被害をもたらします。
戦後、オッペンハイマーは反戦活動家となり、核兵器の廃絶を訴えますが、政府に監視される立場に置かれ、1966年62歳でこの世を去ります。
映画「オッペンハイマー」は、オッペンハイマーの複雑な人物像を丁寧に描いています。彼は科学の天才でありながら、その威力に対する恐れを持ち、戦後は核兵器廃絶の声を高めます。
ネタバレなし感想
映画「オッペンハイマー」は、原爆の父と呼ばれたJ・ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた作品です。
クリストファー・ノーラン監督がメガホンをとり、キリアン・マーフィー、エミリー・ブラウント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.などが出演しています。
この映画は、オッペンハイマーの複雑な人物像を描き出し、原子爆弾の開発と使用、そしてその後のオッペンハイマーの苦悩を丁寧に描いています。
特に、広島と長崎に原子爆弾が投下されるシーンは非常に衝撃的で、戦争の悲惨さを改めて感じさせられます。日本視点は描かれませんが、これまで見たさまざまな作品(はだしのゲン、この世界の片隅に等)を思い出しました。
この映画は、3時間という長い上映時間ですが、非常に内容が濃く、見応えのある作品です。歴史に興味のある人、戦争の悲惨さを知りたい人、そして平和の大切さを考えたい人におすすめの映画です。
映画の構造と理解の難しさ
まず、映画全体の構造について触れます。この作品、かなり複雑です。ノーラン監督ならではの時間操作が随所に散りばめられており、過去と現在が頻繁に行き来します。登場人物の見た目や髪型の変化などで時系列を判別するヒントはあるものの、集中して観ないと理解が追いつかない部分が多々あります。
また、歴史上の科学者や政治家の名前が次々と出てくるので、科学史や第二次世界大戦の背景に詳しくないとついていくのが難しいかもしれません。オッペンハイマーに関する事前知識があると、より楽しめることは間違いありません。
日本に触れるシーンの衝撃
映画のちょうど真ん中くらいで初めて「日本」という単語が登場します。その瞬間、劇場内が一瞬静まり返ったのを感じました。私自身も、そこから感情がぐちゃぐちゃになりました。やはり、日本人としての視点がどうしても重なってしまい、冷静に観ることが難しかったです。
日本側の視点は一切描かれず、アメリカ側からの視点だけで進行するため、日本人が観ると感情的に揺さぶられる部分が多いのではないでしょうか。例えば、戦争中の日本を描いた「はだしのゲン」や「火垂るの墓」などの作品が一気にフラッシュバックしてきました。
演技とキャラクター
主演のキリアン・マーフィーはもちろん素晴らしい演技を見せてくれましたが、特筆すべきは助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.の演技です。彼が演じるルイス・ストロースは非常に重要なキャラクターであり、彼の存在感が映画全体を引き締めています。
また、映画には多くのノーラン作品で見かけた顔ぶれが揃っており、ノーラングミ的な雰囲気も感じられました。これがファンにはたまらないポイントの一つですね。
科学と倫理の狭間
映画を通じて強く感じたのは、科学と倫理の狭間で葛藤するオッペンハイマーの姿です。彼が原爆開発において果たした役割の重さ、そしてその後の彼の人生における苦悩が非常に丁寧に描かれています。
この作品は、単なるヒーロー映画やサクセスストーリーではなく、人間の複雑な感情や倫理観を深く掘り下げています。そこがアカデミー賞を受賞した理由の一つだと思います。
最後に
「オッペンハイマー」は3時間に及ぶ長編映画ですが、その時間を感じさせないほど引き込まれる作品でした。歴史や科学に関する知識があると、より楽しめると思います。観終わった後、私はしばらくその余韻から抜け出せませんでした。
オッペンハイマーは、非常に複雑な人物像です。彼は、天才的な科学者であると同時に、良心的な人間でもあります。
原子爆弾の開発に成功したことで、彼は英雄扱いされますが、同時にそのあまりの威力に恐怖を感じ、その使用に反対します。
戦後は、核兵器の廃絶を訴える反戦活動家となり政府から監視されますが、最後まで自分の信念を貫き続けた人物です。
この映画は、歴史に興味のある人、戦争の悲惨さを知りたい人、そして平和の大切さを考えたい人におすすめの映画です。
日本人として、そして一映画ファンとして、この作品を観ることで多くのことを考えさせられました。皆さんもぜひ観て、自分なりの感想を持っていただければと思います。
それでは、次回のブログでまたお会いしましょう。ありがとうございました。
↑事前学習にオッペンハイマーのドキュメンタリーもオススメ