#127 映画「オッペンハイマー」ネタバレなし感想編:原爆の父を描いたクリストファーノーラン監督作品を見たら爆睡しちゃったけど傑作だと確信したワケ
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映画好きの2人が、クリストファーノーラン監督作品、原爆の父を描いた 映画「オッペンハイマー」について話しています。
ゴールデングローブ賞5冠達成、世界興行収入が9.5億ドル(約1,400億)を突破するなど、海外でも高く評価されている作品です。
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感想
こんにちは、みなさん!本日もよろしくお願いします。
さて、今回は2024年に日本公開が決定した『オッペンハイマー』について、一足先に観てきた感想をお届けします。
とは言っても、「どうやって?」と思う方もいるかもしれませんね。実は、9月にアメリカに行った際に、ついでに観てきたんです。『オッペンハイマー』がアメリカで公開されてから約2ヶ月後のタイミングで、現地の映画館で体験しました。
ただ、残念ながら内容について深く語れないんです……。なぜなら、観ている途中で気絶してしまったからです(笑)。映画がつまらなかったわけではありません。むしろ逆で、難解な内容と英語のセリフに集中しているうちに、気づいたら眠ってしまったんです。
朝からアメリカでの用事をこなして疲れ切っていたこともあり、夜の8時にようやく映画を観に行ったときには、もう意識は限界でした。とはいえ、観たわずかなシーンだけでも、これは間違いなく傑作だと感じました。
映画の最初の15〜20分しかまともに観られなかったものの、その中で印象的だったのが、時系列がバラバラに感じられたこと。さらに、カラーとモノクロのシーンが交互に現れ、そこにはきっと深い意味が込められているはずです。この構成は、ノーラン監督らしい超絶技巧だと感じました。
そして、キャストも素晴らしかったです。主演のキリアン・マーフィーがオッペンハイマーを演じ、また、ロバート・ダウニー・Jr.が登場するのも見どころの一つ。短い断片的なシーンでも、彼の演技の力強さが伝わってきました。
内容が難解であり、しっかり理解するには予習や復習が必要かもしれませんが、ノーラン作品らしい挑戦的な映画であることは間違いありません。『テネット』のように、2〜3回観ることでさらに深まる作品でしょう。
最後に、なぜ日本での公開が遅れているのかという話ですが、おそらく原爆を扱った内容であることが影響しているのかもしれません。しかし、映画は単に原爆を作ったオッペンハイマーの物語ではなく、彼のその後の後悔や平和活動に焦点を当てているため、テーマ自体に大きな問題はないのではないかと個人的には思います。
というわけで、ふわっとした2割しか観ていないにもかかわらず、傑作の香りがプンプンする『オッペンハイマー』。来年の日本公開が待ち遠しいですね!
「オッペンハイマー」の主な製作・スタッフ陣
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
製作エマ・トーマス チャールズ・ローベン クリストファー・ノーラン
製作総指揮:J・デビッド・ワーゴ ジェームズ・ウッズ トーマス・ヘイスリップ
原案:カイ・バード 、マーティン・J・シャーウィン『オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』
「オッペンハイマー」の主なキャスト
オッペンハイマー(キリアン・マーフィー):原爆の父
キティ(エミリー・ブラント):原爆の父の妻
レズリー・グローヴス(マット・デイモン)マンハッタン計画を指揮した軍人
ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr.): 米国原子力委員長
ジーン・タットロック(フローレンス・ピュー):原爆の父の恋人
エドワード・テラー (ベニー・サフディ):水爆の父
「オッペンハイマー」の原作・原案
映画の原案は、日本で2007年に翻訳出版された「オッペンハイマー 『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」(PHP研究所)。
紹介文
2006年ピュリッツァー賞受賞作品。「原爆の父」と呼ばれた一人 の天才物理学者J.ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人 類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問いかける全米で絶賛された話題作の邦訳。
裕福な家庭に生まれたオッペンハイマーがその才能を開花させていく過程を綴る。彼は学問に打ち込む一方で、心身のバランスを崩し、なかば躁鬱の状態に陥る。
ドイツのゲッチンゲン大学に招聘されたころから、症状も改善し、理論物 理学者としての前途が大きく開けてくる。
やがて、原爆プロジェクトの委員長に任命され、開発にあたるようになる。研究にあたっては、彼自身の中に忸怩たる思いもあったようだ。
1945年7月16日早朝、実験が成功した彼は「われわれ全員がこの瞬間"ちくしょう"になってしまった」と呟き研究所をあとにする。
映画公開を記念してか、2024年1月22日にハヤカワ文庫で「オッペンハイマー 上 異才」「オッペンハイマー 中 原爆」「オッペンハイマー 下 贖罪」の形で発売されました。
文庫版の紹介文
「原爆の父」と呼ばれた一人の天才物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問う。全米で絶賛された傑作評伝が、待望の文庫化。
詩や哲学にも造詣が深く、繊細な精神の持ち主であった青年時代(上巻「異才」)。
マンハッタン計画を主導、爆破実験の場(トリニティ)に参加し、広島、長崎に投下された二発の原爆を作り出した壮年時代(中巻「原爆」)。
核兵器の規制と情報公開に向けて物理学者たちを率いた晩年と、マッカーシズム時代の「オッペンハイマー事件」の真相(下巻「贖罪」)。
25年にわたり膨大な数の関係者や家族の証言や史料を丹念に取材し、人類に「原子力」という新しい火をもたらした天才科学者の実像をあぶり出す傑作評伝。
「オッペンハイマー」が第81回ゴールデン・グローブ賞5冠達成
ゴールデングローブ賞では
- 作品賞
- 監督賞
- 作曲賞
- 主演男優賞
- 助演男優賞
の5冠を達成しました。