#131 東野圭吾原作ミステリー映画「ある閉ざされた雪の山荘で」ネタバレ感想編:ガッツリあらすじ話しながら一緒に犯人と結末を考えよう
Podcast: Play in new window | Download
Subscribe: Apple Podcasts | Amazon Music | Android | RSS | More
映画好きの2人が、ミステリー映画「ある閉ざされた雪の山荘で」を見た感想について話しています。
原作は東野圭吾先生の同名小説です。
あらすじ:雪山の密室に閉じ込められた劇団員たち
物語は、新作舞台の主演をかけたオーディションが舞台。劇団の役者7人が、冬の山奥にある雪山の山荘に集められます。4日間の合宿形式で行われるオーディションですが、大雪によって外界と完全に遮断された状況に。役者たちはこの密室で、オーディションという名のサスペンス劇に挑むことになります。
この映画の見どころは、劇団員たちが演じる「劇中劇」の演技と、互いを疑い始める心理戦。1人また1人と消えていく仲間に、観ている私たちも「次は誰がターゲットか?」と息を飲む展開です。
伏線と驚愕のラストに注目
作品全体に散りばめられた伏線も大きなポイント。登場人物たちの会話や行動に細かなヒントが潜んでおり、それらが最後に繋がるラストシーンでは、「あれも伏線だったのか!」と驚かされるはずです。
舞台は孤立した雪山の山荘で、外部との連絡手段が限られているため、密室感がしっかり表現されています。この閉鎖的な状況下で進む物語は、観る側に緊張感を与えてくれます。
キャストと役どころ
ここからはネタバレも含めた感想です。特に驚いたのが、キャストそれぞれのキャラクターの設定。主演の重岡大毅さん演じる「久我」は物語の探偵役ともいえる存在で、山荘に集まった他の劇団員たちをじっくりと見守ります。
そのほかにも、劇団員には個性的なキャラクターが勢ぞろいで、特に中条あやみさんや西野七瀬さんなど人気俳優が熱演。キャスト同士のやりとりが、観ているこちらにもその緊張感をひしひしと伝えてくれました。
登場人物の中に一癖ありそうなキャラクターが多く、観客が「この人は犯人では?」と疑わせるミスリードも絶妙です。
役者が役者を演じる!演技の二重構造が面白い
本作では、役者が演じる役がさらに「役」を演じるという、少しややこしい演技構造が採用されています。
役者がオーディションという設定で事件に巻き込まれていくため、「これが本心なのか、演技なのか?」という境目が曖昧になる場面も多く、観ているこちらも疑心暗鬼に。特に初日から消えていく仲間を目の当たりにすることで、彼らの素の表情が見えてきます。
この二重構造の演出が、ミステリーの魅力をさらに引き立てていました。
原作との違い
原作は1990年代に発表された東野圭吾さんの初期ミステリー。設定も現代版にアップデートされています。
当時はなかったスマホなどの便利ツールが出てくることで、クローズドサークル(外界から隔絶された空間)を作ることの難しさが増しています。そのため設定やシーンが少し工夫されており、原作を読んでから映画を観るとまた違った視点で楽しめるかもしれません。
この時代背景の違いによって、原作では実現できなかったリアルな演出が可能になり、現代ならではのスリリングさが楽しめました。
乗り切れない部分もある演出と伏線
「ある閉ざされた雪の山荘で」には、多層的な演技が求められるシーンもあります。特に役者たちが劇中で役を演じながら、さらにその裏の「本心」をも隠している状況が続くので、観客も「誰が本当のことを話しているのか」と目が離せません。
また、登場人物が「そして誰もいなくなった」を手に取るシーンが象徴的に描かれており、作品全体の雰囲気を暗示しています。
最後に
「ある閉ざされた雪の山荘で」は、ミステリーとしてしっかり楽しめる作品です。観ている間、犯人が誰かを予想しながら、意外な展開に驚かされること間違いなし。細かな伏線が積み重なったラストシーンでは、「そういうことだったのか!」と思わず納得してしまうでしょう。
孤立した山荘のミステリーが好きな方、東野圭吾作品のファンの方には、ぜひ観ていただきたい作品です。