#172 映画「モアナと伝説の海2」ネタバレ感想:ポリネシア神話ベースのあらすじだけだと意味不明だけどジブリ初見を思い出せば面白いはず!
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2024年12月6日に公開された待望の続編、「モアナと伝説の海2」を鑑賞してきましたので、感想をお届けします!ネタバレを含む内容ですので、未見の方はご注意ください。
目次
アメリカのクリスマスと映画館:異文化体験
アメリカのクリスマスの日に鑑賞したのですが、アメリカのクリスマスは日本でいう元旦のような位置づけなんです。
アメリカで暮らし始めてから気づいたのですが、日本のクリスマスは恋人と過ごすイメージが強いですが、アメリカでは家族と過ごすのが一般的です。お店もほぼ全て休みで、家族で過ごす場所があまりないため、普段は空いている映画館がほぼ満席でした。
家族連れで賑わう映画館は、日本ではあまり見られない光景で、異文化体験としても興味深かったです。近所のウォルマートまで閉まっているのには驚きました。近くにディズニーランドもありますが、大混雑が予想されたため、今回は映画館を選びました。
字幕なし鑑賞と子供向け映画の分かりやすさ:ディズニーマジック
今回は字幕なしでの鑑賞だったため、完璧に内容を理解できたか不安な部分もありましたが、ディズニー映画、特に子供向けの作品は、言葉の壁を越える力を持っていると感じました。
表情や身振り手振りといった視覚的な要素が効果的に使われており、英語が苦手な私でも物語を十分に楽しむことができました。特に、感情表現が豊かで、誰がどう思っているのかが手に取るように分かりました。
これは、過去に字幕なしで鑑賞した他の映画(例:デットプール&ウルヴァリン、ハリー・ポッターなど)とは大きく異なり、非常に分かりやすかったです。

ネタバレを含むあらすじと感想:新たな冒険の幕開け
※ここからネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。
物語は、前作の壮大な冒険から3年後、妹シメアが生まれ、少し大人になったモアナが、愛する家族や島の仲間たちと、以前は禁じられていた海へと繰り出す日々を描いています。「私たちはもっと外に出ていたんだ」という重要な気づきが物語の鍵となります。舞台はタヒチ周辺が想定されているようです。
ある日、モアナはかつて人々が海で繋がっていたにもかかわらず、人間を恨む神によって引き裂かれてしまったという伝説を知ります。「海の果てにある島にたどり着けば呪いが解け、世界は再び一つになる」という伝説を知ったモアナは、人々の絆を取り戻すために再び冒険に出ることを決意します。マウイや新たな仲間たちと共に、危険に満ちた航海が始まります。
今作は個人的には非常に楽しめましたが、世間的な評価は賛否両論あるようです。もともとディズニープラスで配信予定だった作品をまとめたものということもあり、ストーリー展開に若干の不自然さや、伏線が十分に回収されていない部分が見られました。前作ではモアナとマウイの2人が中心でしたが、今回は島の仲間たちも同行するものの、それぞれの見せ場が少ないのが残念でした。
神話的な展開とジブリ作品との比較:異文化理解の重要性
クライマックスでは、マウイが魔法の釣り針を使って海底に沈んだ島を持ち上げるという、神話的な展開が繰り広げられます。現実的な視点で見ると疑問も湧きますが、これは神話の世界観として受け入れるべきでしょう。
この展開を見て、ジブリ作品を初めて観た時の感覚を思い出しました。ジブリ作品も、物語が進むにつれて非現実的な要素が強くなりますが、それは日本の妖怪や神といった文化的な背景があるからこそ、私たち日本人は自然に受け入れることができるのです。
「モアナと伝説の海2」も同様に、ポリネシア神話の知識があれば、より深く理解できる部分があるのかもしれません。ニュージーランドの先住民マオリ族の血を引く人物が監督に関わっているという情報もあり、この考察は的外れではないと考えています。
神話として捉えることで見えてくるテーマ:過去の困難に打ち勝つ力
「モアナと伝説の海2」を神話として捉え、ロジックに固執せずに観ることで、より純粋に物語を楽しむことができました。前作のテーマが「外の世界への探求」だったのに対し、今作は「過去の困難に打ち勝つ」という力強いメッセージが込められていると感じました。
ラスボスは嵐の神のような存在で、人々を分断する象徴として描かれています。これは、バベルの塔の物語を彷彿とさせます。嵐に立ち向かう人間の姿は、自然災害に立ち向かう歴史や、人生における様々な困難に立ち向かう姿勢を象徴しているとも言えるでしょう。
クライマックスと音楽、そして盃のシーン:感動とユーモア
クライマックスでは、お決まりの「心が折れる展開」があり、仲間たちの歌によって再び勇気づけられるシーンは感動的でした。特に、ラップ調の歌は印象的で、今作は音楽も大きな魅力の一つです。前作と合わせて、作業用BGMとしてもおすすめです。
そして、私が特に注目したのは、最後の盃のシーンです。分断された人々が盃を交わし、再び繋がりを取り戻すシーンは、日本人から見ると「ヤクザの盃」のように見え、思わず笑ってしまいました。しかし、これは異なる部族間の絆を深める儀式として描かれており、文化の違いを感じさせる面白いシーンでした。
まとめと映画体験:子供と観る際の注意点
「モアナと伝説の海2」は、ロジックの面で気になる部分もありますが、「考えるな、感じろ」という言葉がぴったりな、エンターテイメント作品です。特に、神話的な要素や音楽、そして力強いメッセージは、観る人の心を揺さぶる力を持っています。
満席の劇場で鑑賞したのは良い経験でしたが、後ろの子供たちが泣いていたのは少し大変でした。お子さんと一緒に観に行く場合は、事前に内容を確認しておくことをお勧めします。年末年始に家族で観るのにも最適な作品です。世間的な評価は分かれているようですが、個人的には十分に楽しめる作品だと感じました。
読者の皆様へ
この記事が、「モアナと伝説の海2」を観るかどうか迷っている方、または観終わった後の感想を共有したい方にとって、少しでも参考になれば幸いです。ぜひ、劇場で、あるいはディズニープラスで、モアナの新たな冒険を体験してみてください!