#117 映画「ドミノ」ネタバレ感想編:ロバート・ロドリゲス監督に期待すべきはインセプションみたいなSFスリラーじゃなくて片脚マシンガールやキルビル的なB級アクション映画だ!
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こんにちは!今回は、ベン・アフレック主演のSFアクションスリラー『ドミノ』について、ネタバレ感想をお届けします。『ドミノ』はSF要素を持つスリラーとして宣伝され、期待値が高まっていた作品ですが、結果的には「何か違う…」と感じる人も多かったのではないでしょうか?
まずは、作品についての率直な感想を言わせてもらうと、個人的には「そんなに悪くなかった」と思いました。
もちろん、観る前に抱いていた予想とはかなり違っていましたが、それはそれでロバート・ロドリゲス監督らしい展開が楽しめたからです。
映画本編はこちら
『ドミノ』のあらすじと感想
さて、具体的に『ドミノ』のストーリーに触れていきます。
物語は、娘ミニーを失った悲しみに暮れるオースティン警察の刑事(ベン・アフレック)が、銀行強盗の匿名通報を受けて捜査を進めるうちに、謎の男と出会い、さらに奇妙な事件に巻き込まれていくという展開。銀行で見つけた貸金庫には娘ミニーの写真があり、そこには「レーヴ出るレーンを見つけろ」という謎のメッセージが…。警察官たちも次々に不可解な行動を取り、男を追い詰めるも、彼は突如姿を消すのです。
公園で一瞬目を離した隙に娘が行方不明になってしまった刑事ロークは、そのことで強迫観念にかられ、カウンセリングを受けるようになるが、正気を保つために現場の職務に復帰する。
そんなある時、銀行強盗を予告するタレコミがあり、現場に向かったロークは、そこに現れた男が娘の行方の鍵を握っていると確信する。
しかし男はいとも簡単に周囲の人びとを操ることができ、ロークは男を捕まえることができない。
打つ手がないロークは、占いや催眠術を熟知し、世界の秘密を知る占い師のダイアナに協力を求める。
ダイアナによれば、ロークの追う男は相手の相手の脳をハッキングしていると言う。彼女の話す“絶対に捕まらない男”の秘密に混乱するロークだったが……。
この展開だけ聞くと、「一体どうなっているんだ?」と興味が湧いてきますよね?しかし、そこから繰り広げられるのは謎解きというよりも、圧倒的なアクションシーンの連続。
しかも、この映画には、催眠術や秘密組織といった、いかにも「大どんでん返し」を期待させる要素が散りばめられています。ですが、最終的にはベン・アフレック演じる刑事が娘の居場所を探すために、謎の組織や占い師と対峙していくストーリーに落ち着きます。
ロバート・ロドリゲス監督作品とは?
ロバート・ロドリゲス監督と言えば、皆さんはどんな映画を思い浮かべるでしょうか?おそらく『スパイキッズ』シリーズや、タランティーノと共同で制作した『プラネット・テラー』を思い出す人が多いかもしれません。
特に『プラネット・テラー』では、義足にマシンガンを装着した女性が暴れまわる、まさにB級アクションの真骨頂といえる映画です。彼の作品は、どちらかというと「頭を空っぽにして楽しむ」タイプの映画が多く、どれも独特の荒々しいスタイルが特徴です。
そんな監督がSFスリラーに挑戦したとなれば、確かに「インセプション」のような深遠なサスペンスを期待してしまうのも無理はありません。
ですが、実際にスクリーンに映し出されたのは、肉体派アクションがメインの映画。予告編やプロモーションからは、謎解きや伏線が張り巡らされた高度なストーリーを想像していたのに、映画館で見たものは全く違うジャンルだった…と感じた人も多いはずです。
テキサスの田舎町。
軍事基地で極秘裏に実験が行われていた生物化学兵器が流出・拡散、そのガスを浴びた人々が次々と凶暴なゾンビへ姿を変えていく。
一方、ゴーゴーダンサーをしていたチェリーは、ゾンビ化した人間に右脚を喰いちぎられてしまう。
彼女は元カレ、レイの助けを借り、木製テーブルの脚を義足代わりにして逃げ延びる。
やがてチェリーは失われた脚にマシンガンを装着、次々と襲いかかるゾンビや兵士に向けて怒りの弾丸をブッ放すのだった…。
日本にもズバリ「片腕マシンガール」という映画があります。
ただ、なぜマシンガンを四肢の一部として装着するのか、その意味は今だに靄の中です。。。
B級映画として楽しむべき『ドミノ』
『ドミノ』の大きなポイントは、ロバート・ロドリゲス監督ならではの「B級感」を全力で楽しむことに尽きます。
予告編やプロモーションで抱いた期待感を一旦置いておき、血湧き肉躍るアクションシーンや奇抜な設定を純粋に楽しむつもりで観ると、実はなかなか楽しめる映画なんです。
むしろ、ロドリゲス監督に期待するべきは、深いテーマや巧妙な伏線回収ではなく、義足にマシンガンを取り付けた女性が大暴れするような、一種の「何でもあり」な世界観にこそあるのです。
この監督の作品を観る時は、「インセプション」のような洗練されたSFスリラーを求めるよりも、『キル・ビル』や『マチェーテ』のような、派手で痛快なB級映画を楽しむつもりで観るべきなのです。
まとめ
『ドミノ』は、ロバート・ロドリゲス監督らしい荒々しいアクションと、奇抜な設定を存分に楽しむことができる映画です。
深いテーマや複雑なストーリーを求める人には少し物足りないかもしれませんが、何も考えずに楽しめるエンターテインメント作品としては十分です。
B級映画ファンの方や、ロドリゲス監督の作品に触れたことのある方は、ぜひ一度観てみてください!
次回は、また違った映画の感想をお届けしますので、お楽しみに!