#207 今更見る「マンダロリアン」シーズン2ネタバレ感想:レジェンドジェダイ登場とディズニーへのひとつの苦言:シーズン3の前に「ボバ・フェット」5〜7話を見てください(怒)
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「マンダロリアン」が2026年に映画化される。そのニュースを聞いて、ずっと封印していたシリーズをいよいよ見始めました。
シーズン1を駆け抜けて、勢いそのままにシーズン2へ。見終わった今、言いたいことが山ほどあります。
激アツのクライマックスと、それから一つだけ、ディズニーさんへの苦言を。
ネタバレあり、です。
目次
倒したはずのモフ・ギデオン
まずシーズン1のおさらいから。前回は「子連れ狼」とか「人情侍」みたいな話をしましたが、あのシーズンのラスボスはモフ・ギデオンという男でした。一言でいえば「仮面のないダース・ベイダー」。仮面の中の顔がむき出しという意味ではなく、格好が似ているんです。帝国の偉い人がつけていそうなブラックスーツに身を包んで、見た目からして悪い。そいつを倒したのがシーズン1の結末、だったはずでした。
乗っていた飛行機を墜落させて、爆発した。ところがシーズン1の最後でわかります。倒していなかった。なぜかモフ・ギデオンは生きていた。おかしいですよね。
ようやく動き出した物語、二つの軸
そしてシーズン2。いよいよ物語が動き出します。大きな目的は、チビ・ヨーダを仲間のもとへ届けること。マジでやっと動いた、と思いました。なんで最初からそれをやらなかったのかといえば、シーズン1では帝国に徹底的に狙われていて、取ったり取られたりの繰り返しで余裕がなかったから。帝国の脅威を一旦排除して、ようやく二人旅が始まり、「こいつ、返しに行こうか」という余裕が出てきたわけです。
旅の軸は二つあります。一つは、マンダロリアンの他の仲間を探すこと。もう一つは、チビ・ヨーダがどうやらジェダイと関係しているらしいと情報としてわかってきたので、ジェダイを探すこと。
この二つが、シーズン1とは打って変わってかなりいいテンポで進んでいきます。
マンダロリアンは騎士道だ
主人公が属する集団は、「友愛会」とか「お仲間さん」とか「カルトっぽい」とか、いろんな言われ方をしてきました。宗教っぽい、というのが近い気もします。ただ、シーズン2を見終わって思ったのは、これは一種の騎士道なんじゃないか、ということです。
武士の中にも、いろんな武士がいます。幕末のお侍さんの中には「尊王攘夷志士」と呼ばれた人たちがいました。
外国人だと思ったら切りつける、周りから「あいつらマジでカルトだな」と言われるような、ラジカルな一派も存在した。お侍さんの中にもいろんなお侍さんがいて、こういう侍もいるよねと名前がつく。
マンダロリアンもそんな雰囲気で、マンドーたちの中に、特定の名前を持つ集団のようなものがあるんです。
主人公の属するグループの名前は「チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ」。一番わかりやすい掟は、決して人前でマスクを脱がないこと。ところが旅先で出会う他のマンダロリアンたちの中には、平気でマスクをぱっと脱いでしまう人たちもいて、「おいおいおい」となる。仲間だと思ったら、仲間ではなかったんです。
マンダロリアン自体、時代の流れで数が少なくなっているらしい。シーズン1の冒頭ではまだ数十人いたんですが、モフ・ギデオンのいろいろがあって、やられてしまった。それでも探せば、ちょこちょこいました。一緒には行動しないけれど、いざとなったら協力してくれそうな仲間たちが見つかった。これが一つ目の軸の成果です。
20年の時を経て帰ってきた男
仲間探しの中で興味深かったのが、ボバ・フェットです。エピソード2に出てきたクローン・トルーパーたちのオリジナル、ジャンゴ・フェット。そのジャンゴがジオノーシスの戦いで命を落とす場面を幼少期に目撃していた息子が、エピソード6で少し強めの敵として出てきました。それがボバ・フェットです。
エピソード6ではサルラックという食肉植物に呑み込まれて死んだはずだったんですが、実は生きていたという設定でマンダロリアンシーズン2に登場します。
しかも親父の装備が、流れ流れて売買されて、とある町の保安官が身につけている。マンダロリアン探しの途中でそれを聞きつけて訪ねたら、「装備だけかよ」「その装備、くれよ」という話になり、やがてボバ・フェット本人が取りに来る。ファンからしたら激アツのシーンです。
さらにややこしいのが、設定上クローンであることを逆手に取って、エピソード2でジャンゴ・フェットを演じていた役者さんが、そのまま年を取って演じているということ。
エピソード2の公開が2002年ですから、およそ20年ぶりの帰還です。ファンへのちょっとした目配せですね。
グローグーの名前と正体
もう一つの軸、ジェダイ探し。
ジェダイ探しの軸では、アソーカ・タノという人物が登場します。トグルータという種族で、頭部から「モノ=ラス」と呼ばれる触角状の突起が伸びた、いかにも宇宙人らしいデザインのキャラクター。
かつてのクローン・ウォーズ時代に活躍したジェダイで、アニメシリーズにも登場していたキャラクターです。彼女だけでスピンオフが出るほどの人気があります。
そのアソーカに「チビ・ヨーダ」を連れていくと、初めて名前が明かされます。グローグー。通称ザ・チャイルドとして親しまれてきたあの子の、本当の名前です。
2026年の映画タイトルが「マンダロリアン・アンド・グローグー」なので、予告を先に見ていた人には聞き覚えのある名前かもしれません。
グローグーのバックグラウンドも少しずつわかってきます。ヨーダと同じ種族で、かつてジェダイの修行中だった。オーダー66の大虐殺を生き延びた一人。自分の過去の記憶に蓋をしている——少年漫画の主人公みたいな設定で、「実はすごい素質がある子」なんです。
ただ、アソーカは「この子のトレーニングは私にはできない」と断ります。理由ははっきりとは覚えていないんですが、「ちょっと私には手に負えない」みたいな感じで。その代わり、とある惑星の山頂にグローグーを置くよう伝える。そうすれば、生き残っているジェダイたちにフォースを通じて情報が届くはずだ、と。
ストーンヘンジと、最大の危機
ストーンヘンジみたいな古代遺跡にグローグーを置くと、フォースのオーラが増幅されて宇宙に向かって放たれる。宇宙規模のビーコンのような感じです。
ところがそこでもみくちゃになって、グローグーはモフ・ギデオンに奪われてしまいます。これがシーズン2の終盤です。
帝国の残党はずっとグローグーの血液を狙っていました。グローグーの血に含まれるミディ=クロリアン——フォースと結びついた特別な要素を使ったクローン研究を進めていたことが、シーズン2の中盤で明らかになっています。
ドロイド・ウォーズマンの恐怖
クライマックスは、捕らえられたグローグーの救出戦。これまでの旅で関わった人たちを集めて、攻めるぜという勢いで攻め込みます。そこに立ちはだかるのが、ダーク・トルーパー。
そこで立ちはだかるのが、ダーク・トルーパー。完全に自立型のドロイド戦闘員で、一体倒すだけでも死ぬほど大変。キン肉マンのウォーズマンみたいなやつ、と思ってもらえば雰囲気は伝わるでしょうか。「ドロイド・ウォーズマン」みたいな感じです。
ちなみにこのクライマックスに向かう前に、ちょっとだけ寄り道があります。黒いライトセーバー——ダーク・セーバーが急に登場するんです。「これを持つ者がマンダロリアンの王になる」みたいなルールがあるらしい。モフ・ギデオンを倒したことで、マンドーがそれを手にすることになります。ただ、ジェダイではないマンドーにはうまく扱えなくて、なんか重くて自分の体を傷つけてしまうみたいな。
話を戻すと——ダーク・トルーパーを宇宙船の窓を開けて外に放り出すことで一時しのぎはできたけれど、自立型なので宇宙から戻ってきてしまう。一体でも大変だったのに、何十体もが迫ってくる。絶体絶命の場面です。
そこへ、謎のXウイングが現れます。
フードの下にいたのは
コートをかぶったジェダイっぽい人物が乗り込んできて、あんなに苦労したダーク・トルーパーたちを1秒くらいの感覚でバサバサと倒していく。「とんでもないジェダイが来た」という圧倒的な強さ。やっぱりジェダイってすごいんだなと、視聴者として純粋に感動するシーンです。
フードをぱっと開けると、そこにいたのは、ルーク・スカイウォーカーでした。
マンダロリアンの時系列はエピソード6の5年後なので、ルークは当然生きています。しかもダース・ベイダーを倒した直後という、人生で最も戦闘力がキレキレの時期。エピソード1や2のオビ・ワンやアナキンよりも、かっこいいかもしれないくらいの強さです。
時代設定はエピソード6の5年後ですから、生きているのは当然なんです。エピソード7や8にも出てくるわけですし。
今まで何をしていたのかといえば、おそらく旅をしていて、あの山頂の増幅装置でフォースがぶわっと飛んだのを察知した。「ジェダイがいるぞ」「ちょっと助けに行かな」と、Xウイングで駆けつけてくれたわけです。激アツじゃないですか。しかも、ちゃんとR2-D2もいる。最高なんですよ。
さっき宇宙に向かって放ったフォースのビーコンが届いたのでしょう。ルークがXウイングで駆けつけてくれた。
ルーク・スカイウォーカーが来たというだけで十分すぎるのに、後ろにはR2-D2もいる。グローグーをルークに預けることが決まる。
マンダロリアンも「こいつがジェダイか。じゃあグローグー、よろしく頼むわ」と託す。グローグーは旅立ち、よかったね、で幕。
綺麗に終わったんです。シーズン3があるとは思えないほど、綺麗に。
シーズン3の冒頭で固まった話
ここからは少し、シーズン3のネタバレを含みます。
続きが気になって、シーズン3の1話の冒頭だけ見ようと思ったんです。すると、なんかおかしい。冒頭の「前回までのあらすじ」に、知らないシーンが差し込まれている。あれ、こんなシーンありましたっけ、というカットがちょいちょい挟まる。綺麗にお別れしたはずのグローグーが、なぜかマンダロリアンの船に乗っている。R2-D2型のドロイドが乗るあの場所から、グローグーが顔を出してウィーンとやってくる。しかも船が新しくなっている。一旦停止して、確信しました。俺の知らない話があるな。飛んでるな、と。
ここはディズニーさんにちょっと苦言です。もう少しわかりやすく埋めてくれ。
調べました。シーズン2とシーズン3の間に、スピンオフの「ボバ・フェット」が挟まっていたんです。公開時期でいうと、シーズン2が2020年、コロナ禍の真っ只中。シーズン3が2023年。空白の3年の間に、あのボバ・フェットの物語が公開されていた。
これからシーズン3を見るという人に忠告しておきます。先に「ボバ・フェット」の5話から7話を見てください。シーズンは確か一つだけ、全7話ほどの作品なので、その3話だけでいい。心を折らないお得情報です。映画化を前に一気見する人がこれから大勢出てくるでしょうから、きっとみんな同じ「?」を浮かべるはずです。
実際、見始めてびっくりしましたよ。ボバ・フェットのエピソードなのに、冒頭のダイジェストが完全にマンダロリアンの話。本編にもボバ・フェットがほぼ出てこなくて、マンダロリアンが主人公の回が最初から最後まで続く。「ボバ・フェットでマンダロリアンの話するんかい!」と思いながら見ていました。
ライトセーバーか、鎧か
その5話から7話で何が起きていたのか、ぎゅっとまとめます。
グローグーはルークと、あまり人のいなさそうな惑星にいました。帰り道に襲われたわけではなく、もう修行が始まっている。これがちょっと泣きそうになるんです。エピソード4か5あたりで、ヨーダがルークに修行をつけたじゃないですか。洞窟で心の闇と向き合わせたり、謎の球体をぴょんぴょん操らせたり。あれを今度は、ルークがグローグーにやってあげている。ヨーダにやってもらったことを、そのまま弟子に。
ただ、未来を知っている僕らは知っています。エピソード7、8あたりで明らかになるように、ルークはどうやら師匠に向いていない。弟子が闇落ちして、ファースト・オーダーが誕生してしまう。だから「師匠に向いてないな」というのは僕らにはわかっているんですが、劇中のルークもやきもきしている。一生懸命教えているのに、身についていない。心ここにあらず、なグローグー。
そこへマンダロリアンが「元気にしてるかな」と様子を見に来ます。応対するのはアソーカさん。彼女が言うんです。ジェダイは感情を切らなきゃいけない。絆を断ち切らなきゃいけない。アナキンが闇落ちしたのも、愛すべき人がいたから。あなたとグローグーの間に絆ができてしまったら、グローグーはジェダイになれない、と。
マンダロリアンは結局ルークには会わず、置き土産をして帰ります。自分の貴重な金属を溶かして作ったらしい、チビサイズのマンダロリアン鎧。グローグーの身を守るための鎧です。どっぷりラブなんですよ。どれくらいラブかといえば、前述のグローグー救出のとき、ついに掟に背いて、人前でマスクを取ってしまったほど。
ルークは、しょうがないなぁという感じでグローグーを呼び出し、二つのものを目の前に置きます。一つは、マスター・ヨーダが使っていたライトセーバー。もう一つは、マンダロリアンが残していったチビサイズの鎧。どちらか一つを選べ、と。ライトセーバーを選べば、お前は偉大なジェダイになるだろう。鎧を選べば、マンダロリアンのところへ行っていい。ただし、もうジェダイになれるとは思うな。
少し場面が入れ替わって、次にグローグーが映るときには、Xウイングに乗ってマンダロリアンのもとへやって来ます。後ろには、たぶん送り迎えのためのR2-D2。なるほど、そういうことか。グローグーは戻ってきました。下町感のある、いいコンビです。
禊ぎの旅へ
一方のマンダロリアンは、人前でマスクを脱いだことを仲間に責められます。「脱いだでしょ。じゃあもうお前、マンダロリアンじゃないよ」と。どうしたらいいのか聞くと、マンダロア、おそらくマンダロリアンたちの故郷の星の、鉱山の下にある泉に入って禊ぎをすればいい、と。神道っぽいですよね。マンダロアはもう滅んだはずでは、じゃあ無理じゃないか、という話になるんですが、どうやら泉は残っていたらしい。「急ぎ行く」。これがシーズン3の入り口です。
ちなみにボバ・フェットの4話から7話あたりの過程で、マンダロリアンは新しい船も手に入れています。だからシーズン3の冒頭は、新しい船でグローグーと一緒に禊ぎへ向かうところから始まる。順番どおりに見ていれば、何の引っかかりもなかったはずなんです。こうやって順番に見るのが一番面白い、という説はたしかにあります。
緑のちっこいのが、可愛く見えてくる
シーズン2まで見て思うのは、キャラクターに愛着が持てるようになってきた、ということです。相変わらずテンポはゆっくりで、そこは僕が最初に乗れなかった部分でもあるんですが、一緒にいる時間が増えてきた。
シーズン1のときは正直「なんだこの緑のちっこいのは」と思っていたグローグーを、シーズン2では可愛いと思ってしまっている自分がいる。やられたな、と思います。人気が出るように作られているキャラクターではあるんですが、特に子育てを経験した人にはひとしおでしょう。シーズン2は子育てパートが増えて、親子の旅という色が濃くなっている。あれを見ていると、掟に背いてマスクを取るのも、わからなくはないんです。
修行のビフォーアフターもあって、グローグーは以前よりフォースを少し使えるようになっています。
マンダロリアンの手元にはあのダーク・セーバーがあります。倒した者が持つ、というルールがあるらしく、モフ・ギデオンを倒したから今は彼のもの。装備の戦闘力はだいぶ上がっているはずなのに、縛りプレイなのか、扱いきれていない。すごく重く感じてしまうらしいんです。ライトセーバーはジェダイでないと使いこなせない、昔からある設定ですね。
引っ張られるような感覚でセーバーが重くなり、自分の体を傷つけてしまう。ダーク・セーバーを欲しがっている、マンダロリアンの王になりたいキャラクターもいるので、いずれそいつに渡す展開があるのかな、と想像しながら見ています。
シーズン1と2がコロナ禍に重なったのも大きかったと思います。シーズン1の公開後にコロナが来て、家から出られず暇を持て余したみんながコンテンツを求めていたところに、シーズン2がバチッとはまった。孤独になっていたみんなに、寄り添えたんですね。
シーズン2の最後は、本当に熱い。ルークでピンとこなくても、R2-D2で熱さがバチッと来る人もいるはずです。さらっと見たい人は、ここまでの話を踏まえて最後だけ見てみるのも、案外ありかもしれません。サン=テグジュペリの言葉を借りれば、「一緒に過ごした時間が、バラを特別なバラにする」。シーズン1、2と時間を重ねてきたからこそ、あのクライマックスが特別になる。
ただ一つだけ。何も知らせずに「ボバ・フェット」を間に挟んだ構成、あれはギルティです。詐欺、いや詐欺じゃない、でもやっぱり詐欺ですね。あの衝撃はデカかった。あそこを乗り越えてこそのスター・ウォーズなのかもしれませんが。このままシーズン3を見ていきます。

