アメリカのマクドナルドモーニングには、ベーグルのハンバーガーがある。
朝のドライブスルーで、メニュー表の隅にそれを見つけたとき、思わず二度見しました。ベーグル。卵とチーズと、分厚いベーコンを挟んだ、どう見ても朝食用のハンバーガーにしか見えないやつです。
日本でマクドナルドの朝といえば、エッグマックマフィンかソーセージマフィン、あとはホットケーキ。あの薄くて、ちょっと上品なマフィンの世界ですよね。手のひらにすっぽり収まって、コーヒー片手にさっと食べ終わる。朝はそのくらい軽くていい、という暗黙の了解があるように思います。

ところがアメリカの朝のメニューには、明らかに毛色の違う一群が居座っている。それがベーグルサンドでした。
その日、私が頼んだのはベーコン・エッグ&チーズ・ベーグルです。
トーストしてバターを塗った丸いベーグルに、分厚いアップルウッドのスモークベーコン、ふわっと折りたたんだ卵、とろけるアメリカンチーズが二枚。
そこに「ブレックファストソース」という、マヨネーズベースの少し酸味のあるソースが効いています。包みを開けた瞬間、これはマフィンの仲間じゃないな、と直感しました。手に持つとずっしり重い。

一口かじると、ベーグルのもちっとした弾力が歯を押し返してきて、ベーコンの塩気とソースのコクが一緒に押し寄せてくる。完全にハンバーガーの食べ口です。朝7時に食べる味じゃない。でも、うまい。
ニューヨークの人たちが朝に頬張る、ベーコン・エッグ&チーズ、通称「BEC」。街角の売店(ボデガ)で紙に包んで手渡される、あの定番のサンドイッチがありますよね。マクドナルドのこれは、それをベーグルでやってしまった一品だと私は思っています。ファストフードのくせに、妙に本場の朝の風景に近い。
ラインナップはだいたいこんな顔ぶれです。
| メニュー | 主な具材 | カロリー | 備考 |
|---|---|---|---|
| エッグ&チーズ | 卵、チーズ、ソース | 約520kcal | いちばん穏やか。ベーグル入門編 |
| ベーコン・エッグ&チーズ | +ベーコン | 約590kcal | 私が頼んだのはこれ。BECの王道 |
| ソーセージ・エッグ&チーズ | ソーセージパティ | 約710kcal | 肉の満足感でぐいぐい押してくる |
| ステーキ・エッグ&チーズ | ステーキ、玉ねぎ | 約680kcal | 朝から完全にハンバーガー。攻めすぎ |
カロリーを見て少し笑ってしまうところまで含めて、アメリカの朝らしいなと思うのです。日本のエッグマックマフィンが310キロカロリーくらいなのに対して、ベーコンのベーグルは590キロカロリー。ほぼ倍です。これを朝から平らげて、平然と車で仕事に向かう。そういう国なんだな、と毎回しみじみします。
このベーグルサンド、ずっと全米どこでも買えたわけではないらしく、一時期メニューから消えていて、店舗によって扱いがバラバラでした。それが2025年、エッグマックマフィンが誕生50周年を迎えた年に、初めて全国展開されたとのことです。

そのエッグマックマフィン自体、もともとは「持ち運べるエッグベネディクト」として考案されたものだそうです。なるほど、と腑に落ちました。アメリカの朝食は、外で、片手で、しっかり食べる。その思想の延長線上に、このベーグルのハンバーガーは立っているわけです。
正直に言えば、毎朝食べたいかと聞かれると、答えはノーです。ちょっと重いです。それでも、週末の遅い朝、コーヒーを濃いめに淹れて、半分に切ったベーグルにかじりつく。いい時間です。
日本に一時帰国するたび、マフィンの慎ましさに少しほっとして、それでもふと、あのもちっと重たいベーグルが恋しくなる。食べ物の記憶というのは、不思議と土地の記憶とセットになっているものですね。
朝のドライブスルーで、メニュー表の隅にそれを見つけたとき、思わず二度見しました。ベーグル。卵とチーズと、分厚いベーコンを挟んだ、どう見ても朝食用のハンバーガーにしか見えないやつです。
日本でマクドナルドの朝といえば、エッグマックマフィンかソーセージマフィン、あとはホットケーキ。あの薄くて、ちょっと上品なマフィンの世界ですよね。手のひらにすっぽり収まって、コーヒー片手にさっと食べ終わる。朝はそのくらい軽くていい、という暗黙の了解があるように思います。
ところがアメリカの朝のメニューには、明らかに毛色の違う一群が居座っている。それがベーグルサンドでした。
今回食べたのは、カリカリのベーコンが入った「ベーコン・エッグ&チーズ」。
トーストしてバターをたっぷり塗った丸いベーグルに、ステーキパティ、ふわっと折りたたんだ卵、とろけるアメリカンチーズ、そしてグリルした玉ねぎ。そこに「ブレックファストソース」という、マヨネーズとマスタードを混ぜたような甘酸っぱいソースが効いています。一口かじると、ベーグルのもちっとした弾力が歯を押し返してくる。これはもう完全にハンバーガーの食感です。朝7時に食べる味じゃない。でも、うまい。
ラインナップはだいたいこんな顔ぶれです。
| メニュー | 主な具材 | カロリー | ひとこと |
|---|---|---|---|
| エッグ&チーズ | 卵、チーズ、ソース | 約520kcal | いちばん穏やか。ベーグル入門編 |
| ベーコン・エッグ&チーズ | +ベーコン | 約590kcal | ニューヨークの売店サンドみたいな定番 |
| ソーセージ・エッグ&チーズ | ソーセージパティ | 約710kcal | 肉の満足感でぐいぐい押してくる |
| ステーキ・エッグ&チーズ | ステーキ、玉ねぎ | 約680kcal | 朝から完全にハンバーガー。私の一番 |
カロリーを見て少し笑ってしまうところまで含めて、アメリカの朝らしいなと思うのです。日本のエッグマックマフィンが310キロカロリーくらいなのに対して、ステーキのベーグルは680キロカロリー。倍以上です。これを朝から平らげて、平然と車で仕事に向かう。そういう国なんだな、と毎回しみじみします。
このベーグルサンド、ずっと全米どこでも買えたわけではないらしく、一時期メニューから消えていて、店舗によって扱いがバラバラでした。それが2025年、エッグマックマフィンが誕生50周年を迎えた年に、初めて全国展開されたと聞きました。そのエッグマックマフィンも、もともとは「持ち運べるエッグベネディクト」として考案されたものだそうです。なるほど、と腑に落ちました。アメリカの朝食は、外で、片手で、しっかり食べる。その思想の延長線上に、このベーグルのハンバーガーは立っているわけです。
正直に言えば、毎朝食べたいかと聞かれると、答えはノーです。重い。あのソースは、寝起きの胃には少々挑戦的すぎる。それでも、週末の遅い朝、コーヒーを濃いめに淹れて、半分に切ったベーグルにかじりつく。あの瞬間だけは、この国の朝の流儀も悪くないな、と思えるのです。
日本に一時帰国するたび、マフィンの慎ましさに少しほっとして、それでもふと、あのもちっと重たいベーグルが恋しくなる。食べ物の記憶というのは、不思議と土地の記憶とセットになっているものですね。

