#190 映画「We Believe in Time このときを生きて」ネタバレ感想編 :アメイジング・スパイダーマンとミッドサマー主演俳優が魅せる夫婦の愛と葛藤ラブストーリー
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皆さん、こんにちは!本日は映画『We Believe in Time このときを生きて』についてお話しします。
2025年6月6日に公開されたこの作品は、『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドと、『ミッドサマー』で知られるフローレンス・ピューが主演を務める、心温まるヒューマンラブストーリーです。この映画を新宿のキノシネマで鑑賞しました。
物語のあらすじ
若き天才シェフ、フローレンス・ピューと、離婚の痛手から立ち直れずにいたアンドリュー・ガーフィールドは、運命的な出会いを果たし、深く愛し合います。自由奔放なフローレンスと慎重なアンドリューは、様々な困難を乗り越えながら、やがて共に暮らし、娘を授かります。家族としての絆を深めていく中、フローレンスは自身の余命がわずかであることを知り、アンドリューに“ある驚きの決意”を告げるのです。
一見すると日本の恋愛ドラマにありがちな設定にも思えますが、この映画はそれをはるかに大きなスケールで、そしてより深い視点で描いています。
映画の魅力と見どころ
この映画の大きな特徴は、時系列が複雑に前後する点です。まるで『(500)日のサマー』のように、時間の流れが入れ替わることで、物語に奥行きを与えています。また、日本の若者向け作品とは異なり、登場人物は30代と、人生経験を積んだ大人の視点で描かれています。恋愛の成就だけでなく、その後の夫婦関係、そして子供の誕生を経て家族愛へと変化していく過程が丁寧に描かれているのも見どころです。
予告編を見たとき、私はこの映画が『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』のような感動を与えてくれるのではないかと期待しました。実際に鑑賞してみて、その期待を裏切らない、非常に美しく感動的な作品だと感じました。
心に響く3つのシーン
特に印象に残ったシーンを3つご紹介します。
1. ドタバタ出産シーン
一つ目は出産シーンです。出産中にまさかのアクシデントが発生!病院へ向かう途中で大渋滞に巻き込まれ、立ち寄ったガソリンスタンドのトイレに奥さんが閉じ込められてしまいます。結局、そこで出産することになるのですが、このシーンはコメディタッチで描かれ、ガソリンスタンドの店員さんたちが協力し、病院と連携しながらパパが奮闘するという、ドタバタしながらも心温まるシーンです。アメリカのユタ州を舞台にした、ユーモラスで幸せいっぱいの出産シーンは、非常に記憶に残るものでした。
2. 温かいバスタイム
二つ目は、夫婦の入浴シーンです。大きくなったお腹を湯船から出した妊婦さんが、そこに乗せたクッキーを夫と一緒に食べるという、短いながらも非常に印象的なシーンです。二人の自然体で幸せな日常が描かれており、見ているこちらも温かい気持ちになります。アンドリュー・ガーフィールドが幸せそうにしている姿は、ファンとしても嬉しい限りでした。
3. 葛藤の夫婦喧嘩
三つ目は、映画のクライマックスである夫婦喧嘩のシーンです。余命わずかなフローレンスがアンドリューに告げた“驚きの決意”とは、料理人としての夢、シェフのオリンピックに出場することでした。
しかし、その大会の日程が、夫と計画していた結婚式の日と重なってしまいます。フローレンスはギリギリまで夫にそのことを告げず、練習に没頭するあまり、子供の保育園のお迎えを忘れてしまいます。それがきっかけで全てが明らかになり、二人の間で激しい夫婦喧嘩が勃発します。夫は、残された時間を家族と過ごしてほしい、治療に専念してほしいと願います。
しかし、フローレンスは、自分が死んだ後も娘の心に「困難な状況でも夢を諦めなかったお母さん」として記憶されたい、という強い思いを涙ながらに訴えます。このシーンでのフローレンスの独白は、どちらの気持ちも痛いほど理解できるがゆえに、非常に胸に迫るものがありました。一見すれ違っているように見えても、二人が目指すものが同じであることに気づかされる、感動的なシーンです。
タイトルに込められた意味
映画のタイトル「We Believe in Time」には、「私たちはこの時間というものの中で生きている」という深い意味が込められていると感じます。有限である時間の中で、様々な経験を積み重ねていく人生。そして、過ぎ去った時間は決して無くなるわけではなく、私たちの心に残り続ける――。そんな儚さと永遠性が表現されているのではないでしょうか。
さまざまな視点から
この映画は素晴らしい作品ですが、一部では「夫が犠牲になりすぎている」といった批判的な意見も見られました。もし男女が逆の立場だったら、時代錯誤だという声も上がるかもしれません。
しかし、夫婦のあり方は多様であるべきだと私は考えます。どちらかが外で働き、どちらかが家庭を支えるという形でも、お互いが納得していれば、それは尊重されるべきです。この映画は、まさに夫婦の選択の自由、そして多様な家族の形を示す、現代に一石を投じる作品だとも言えるでしょう。
おすすめの鑑賞タイミング
この映画は、30代以上の、人生経験を積んだ方々に特におすすめしたいラブストーリーです。単なる恋愛の成就だけでなく、その後の夫婦関係や家族愛の深化が描かれており、きっと共感できる部分が多いはずです。夫婦で観るのがおすすめです。特に、結婚を控えている方や、結婚直後の方にとっては、大人のラブストーリーとして、非常に良い示唆を与えてくれるでしょう。
また、冒頭のコメディタッチなドタバタ劇など、見やすい工夫も凝らされています。ぜひ、皆さんも『We Believe in Time』をご覧になってみてください。
この映画を観て、あなたは何を感じましたか?