TBS日曜ドラマ「御上先生」の考察を楽しんだ記録

没頭キャストの中の人がTBS日曜ドラマ「御上先生」を楽しんだ記録です。

ドラマ見ながら適当に更新していきます。現在3話まで見ました。

隣徳は くにの まほろば

第3話のラストで登場した告発文ですが、差出人の名前からも元ネタは倭建命の望郷歌であることは確定的です。

「御上先生」第3話 より

その元ネタの歌を探ってみましょう。

元ネタの歌と背景

うた:大和は 国の真秀ろば 畳なづく 青垣 山籠もれる 倭し麗し

読み:やまとは くにのまほろば たたなづく あをかき やまごもれる やまとしうるはし

意味:大和は国のなかでももっともよいところだ。重なりあった青い垣根の山、その中にこもっている大和は、美しい

この歌は、日本書紀や古事記に登場する倭建命(ヤマトタケルノミコト)が詠んだとされる望郷の歌です。倭建命は日本武尊とも表記され、天皇の命を受けて東征し、各地で戦いを繰り広げた英雄です。

しかし、遠征の末に病に倒れ、故郷である大和に帰ることなく亡くなったと伝えられています。彼が旅の途中で故郷を思い、詠んだとされるがこの歌です。

まほろばの意味と歌の解釈

この歌は、大和の地を称賛し、故郷への強い愛着を表現しています。

  • 「大和は 国の真秀ろば(まほろば)」
    「大和は国の中で最も素晴らしい場所だ」
    「まほろば」という言葉は「もっともすぐれた、住みやすい土地」という意味を持ちます。この表現により、倭建命が大和をどれほど愛していたかが伝わります。
  • 「畳なづく 青垣」
    「幾重にも重なり合った青々とした垣根のような山々」
    「畳なづく」は「幾重にも重なる」、「青垣」は「緑の垣根のような山々」を指します。これは、大和を囲む美しい山々をたとえた表現です。
  • 「山籠もれる 倭し麗し」
    「山々に包まれた大和は、なんと美しいことか」
    「山籠もれる」は「山に包まれている」という意味であり、「倭し麗し」は「大和は美しい」という感嘆を表します。山に囲まれた大和の風景が、懐かしさとともに描かれています。
かつてよく行っていた施設。「まほろば」と聞いて思い出すのはココ

倭建命の望郷歌

この歌には、倭建命が遠征先で故郷を思う強い郷愁が込められています。彼にとって大和は、ただの生まれ故郷ではなく、「理想の国」であり、「帰るべき場所」だったのでしょう。

しかし、過酷な遠征の中でそれが叶わないことへの悲しみが、逆にこの美しい表現となっています。

この歌の美しさは、繰り返しのリズム視覚的な描写にあります。

  • 「畳なづく」(幾重にも重なる)と「青垣」(緑の垣根のような山)による視覚的な広がり
  • 「山籠もれる」(山に囲まれた)で大和の静寂と守られた感じを表現
  • 「倭し麗し」(なんと美しいことか)の結びによる感動の強調

これらの技法によって、故郷・大和の美しさが際立ち、倭建命の想いがより鮮明に伝わります。

この歌は、古事記に関わる多くの書籍に収録されています。

そのうち、最も権威性がある一つが「新編日本古典文学全集 」の1巻(p233「望郷の歌」)。

文庫本で最も手に取りやすそうなのが「古事記歌謡」(p81「倭建の命の望郷歌」)。

探して読んでみてね。

このくにに 平川門より 入りし者たち 数多あり

ここでの「くに」はドラマの設定的にも「文部科学省」でいいでしょう。

平川門は江戸城の北に位置する出入り口ですが、死体の運搬をしたとのことで別名「不浄門」の異名があります。ここでは「裏口」ぐらいで解釈してみましょう。

そうすると、

隣徳は くにの まほろば

隣徳学院は文部科学省にとって理想的な場所である

このくにに 平川門より 入りし者たち 数多あり

(報徳学園から)文部科学省に 不正な働きかけをしている人が たくさんいる

最後の「お前の不正をわたしは観ている」はそのままなので省略します。

つまり、ほぼ解釈の通りですが、隣徳学園と文部科学省の不正な関係を告発する文章で、及川光博さん演じる塚田局長が何かしらで関わっているんでしょう(知らんけど)

御上先生相関図

第3話までは以上です。

「御上先生」好きが好きそうな教師系漫画

生徒たちと徹底的に議論をする感じは、鈴木先生に似ている。

そこまで踏み込んで話すか?!って話題まで行く。

実は長谷川博己主演で、2011年テレビ東京にて実写ドラマ化もされてる。

御上孝の一見優しくはないけど、現実的な解決に持っていこうとする姿勢は「夢なし先生」に通じる。

「君ならなんでもできる」「なんでもなれる」と言う先生は勇気はくれるけど、責任は取ってくれない。

生徒からの人気はないかもしれないけれど、地に足ついた人生を歩むために、5年後10年後に評価されそうな先生の話。

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